2022年11月以降、金の価格は大きく上昇し、3月のシリコンバレー銀行破綻時には顕著な上昇を見せました。PAXGやXAUTといった金を裏付けとするステーブルコインも時価総額が増加し、合わせて10億ドルを超えています。一方、ビットコインは主要な株式市場の指数からデコレートされ、金や銀と強い相関関係を示しています
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金価格上昇、ステーブルコイン資本金上昇
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2022年11月以降、金価格は上昇傾向にありますが、この上昇が特に顕著なのは、銀行界にその影響が残っているシリコンバレー銀行(SVB)の破綻に相当する3月10日以降であることがわかります。
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Figure 1 – Gold price performance against US dollar (XAU/USD)
戦争や時代を乗り越えてきた歴史的な安全資産である金への関心は、それを裏付けとするステーブルコインにも感じられます。実際、金を裏付けとするステーブルコインの時価総額は、象徴的な10億ドルの大台を超えたところです。
金を裏付けとする安定コインの市場は、ごく最近までBinanceのBUSDを発行していたPaxosが発行するPAXGと、暗号通貨市場で最も時価総額の大きい安定コインであるUSDTも担当している米国の巨大企業Tetherが発行するXAUTだけにほぼ限定されています
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ビットコイン(BTC)はインデックスからデコレートし、ゴールドに近づく
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テクノロジー分野の企業が多いナスダック指数を除き、ビットコイン(BTC)は以下のようにS&P500、DAX、ダウ平均などの主要な株式市場の指数から大きくデコレートされていることがわかります(曲線が1に近いほど相関が顕著):
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Figure 2 – Correlation between BTC and different stock market indices
逆にビットコインは、とりわけ銀行不安の中で安全な避難先となる金との相関が高いようです。ビットコインとイーサ(ETH)は金との相関が0.9と非常に高いが、銀との相関もある:
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Figure 3 – Correlation between BTC and gold
このことは、増え続ける投資家にとって、ビットコインが安全な避難所となっているようであり、例えば2022年には見られなかった傾向であることを示しています。しかし、BTCと希少金属である金との相関性は非常に高いものの、暗号通貨の王様のボラティリティは、金よりもはるかに高いままであることに注意する必要があります。
ビットコインの価格が1月1日から72.5%上昇したのに対し、金はごく最近、歴史的な抵抗である2,000ドルを超えた。この出来事は、過去に2020年8月と2022年3月に2度起きている。
デジタルゴールド」とも呼ばれるビットコインは、2100万単位しか入手できない暗号通貨であるため、希少性が高いという特徴も金と共通しています
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