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AI投資は2025年までに世界で2000億ドルに急増する可能性: ゴールドマン・サックス

by Thomas

金融大手ゴールドマン・サックスの新しいレポートによると、人工知能への世界的な投資は2年以内に2000億ドルに膨れ上がる可能性がある。

「ジェネレーティブAIには莫大な経済的可能性があり、普及後の10年間で、世界の労働生産性を年間1%ポイント以上押し上げる可能性がある」と報告書は述べている。

報告書は、2025年までにAIへの投資が米国のGDPの最大4%、中国のような他の投資国ではGDPの2.5%を占めると推定している。これは、電気やパソコンに端を発した過去の技術ブームを象徴するGDPの2%に匹敵する。

ゴールドマン・サックスのエコノミストは、このAI投資の急増は、大規模な言語モデルに基づいて新しいコンテンツを作成することに焦点を当てたAIのサブセクターであるジェネレーティブAIの巨大な経済的可能性に起因するとしている。その一例として、チャットボットで大流行したChatGPTや、テキストプロンプトからオリジナル画像を生成するツールStable Diffusionが挙げられる


ゴールドマン・サックスは以前、ジェネレーティブAIが広く採用されれば、世界の労働生産性を毎年1%ポイント以上向上させることができると試算した。しかし、そこには注意点がある。

「大規模な変革を実現するためには、企業は新しいテクノロジーを獲得・導入し、ビジネスプロセスを再構築するために、物理的・デジタル的・人的資本に多大な先行投資を行う必要がある」と同レポートは強調している。

ゴールドマン・サックスはすでに、AIに対する企業の関心の高まりを追跡しており、ラッセル3000企業の16%が決算報告でAIについて言及している。ゴールドマン・サックスはまた、アメリカを世界のAIイノベーションの最前線に置いている。

「一方、米国はAI技術のマーケットリーダーとして位置づけられており、米国企業は比較的早期にAIを採用する可能性が高い。

独自の予測を加えて、ゴールドマンはAIへの投資が2025年までに米国で1000億ドル、世界で2000億ドルに近づくと予測している。「非常に速い成長にもかかわらず、AIが現在のGDPに占める割合が非常に低いことから、短期的なGDPへの影響は小幅にとどまる可能性が高い」と同レポートは指摘している。

このAI投資の流入は、より広範な意味合いも持っている。

TCNが以前報じたように、マッキンゼーの報告書は、ジェネレーティブAIだけで年間4兆4000億ドルを世界経済に投入できると見積もっている。プライスウォーターハウスクーパースによれば、これは2030年までに最大15兆7000億ドルに達すると予測されるAIの経済効果全体の15~40%を占める。

投資は戦略的に行われる ゴールドマン・サックス・リサーチは、AIへの投資の大半は「AIモデルの訓練やAIクエリーの実行のためのハードウェア投資、およびAI対応ソフトウェアへの支出の増加からもたらされる」と指摘している。そして、これが市場の現状であるようだ。マイクロソフトはChatGPT開発者のOpenAIに数十億ドルを注ぎ込み、グーグルはAnthropic(Claude AIの開発者)のような競合他社に投資している。

これまでのところ、AI開発の爆発的な伸びは米国に恩恵をもたらし、市場を活気づけている。今年のS&P 500のリターンは16.6%という驚異的なもので、2023年はこの指数にとって大恐慌以来最高の年になるだろう。


あるセクターが盛り上がると、別のセクターは冷え込む。AIは、かつて赤熱していた暗号分野から関心を引き離した。

しかし、経済活動におけるAI活用の台頭には、プライバシーの問題からAIアルゴリズムが人間の仕事を代替する可能性への懸念まで、それなりの懸念がつきまとう。しかし、現在の予測通りであれば、我々はAIの経済的変革力を垣間見たに過ぎない。

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